リチャード・ヘイメーカーさんのスピーチ要旨

I.エメット・ティルのストーリーの重要性 ― 剛丈さん事件との関連性
II.日米の学生のためのカールトン基金
III.アメリカでの自由に対する考え、アメリカ人のアイデンティティの基盤

IV 概要


I.エメット・ティルのストーリーの重要性 ― 剛丈さん事件との関連性

エメット・ティルは14歳の黒人の少年でした。彼の家族は、ミシシッピ州からシカゴに引っ越していました。 1944年、いとこと会うためにミシシッピを訪れましたが、ミシシッピは彼にとって全く外の世界(foreign territory)でした。
エメットはミシシッピ州マネーの店で、彼に給仕していた白人女性に不適当な方法で話しかけたことが原因で、残酷に殴打され殺されました。
エメット・ティルの母親は、黒人の少年への残忍な扱いについて世界に知ってもらいたいと考え、彼の棺を何日も開いたままにしました。メディアは1944年に世界中でこの話を発信しました。

一方、剛丈さんは銃を持った男に出会うとは想像もしなかったでしょう。もしわたしたちが本物の銃を見たら、状況がすぐに理解できますが、剛丈さんには出来ませんでした。アメリカは彼にとって外の世界(foreign territory)だったからです。妻ボニーは、「剛丈さんはメキシコ人、東洋人、または『何か(黒を意味する)』だった」と証言しました。
服部さんご夫妻もエミットの母のように剛丈さんの話を世界に広めようとしていました。
服部さんご夫妻に続いて、私は彼らの願いをサポートするために、米国で請願運動を開始しました。日本人が署名する意思を持っていたのにアメリカ人が署名しなかったとしたら、それは恥ずべきことだったでしょう。
請願運動には何百万人もの日本人とアメリカ人が関わり、彼の話を広めました。結果クリントン大統領との面会が報道され、銃による暴力に対処するために、大統領がリーダーシップを発揮することを求める請願書が提出されました。
署名を集める時、私たちはまた多くの組織に運動に参加してもらいました。これをもとにCSGVは、最初の根本的なデータベースを作成しました。

エミットの話は、公民権活動に参加したすべての人の心に伝えられました。剛丈さんの話はまだそのレベルには至っていません。ニュータウンで起きた幼児虐殺、10代の若者のストーンマンダグラス高校襲撃も同様です。しかし、私たちに協賛している人はそれらの物語が周知されることにより、原動力になると信じています。
銃による暴力の問題を解決するのがとても難しいのはなぜでしょうか。これはアメリカ人がアイデンティティとして、政府の規制からの解放という考えを持っているという事実が一部関係しています。


II 日米の学生のためのカールトン基金

ホリーと私は、私の母校のカールトン大学で2つの特別基金を創設しました。 1つは、カールトン大学の学生が京都の同志社大学で学期を過ごすのを支援するものです。2つ目は、カールトンに入学した日本人学生のための奨学金です。どちらも、経済的に余裕がない学生を助けるものになります。

基金の名称
(1)服部剛丈記念基金(カールトン大学生用)
(2)服部剛丈記念奨学金(日本人大学生用)
これらの資金はほとんどが寄付です。基金に学生を助けるのに十分なお金が集まっていることは素晴らしいことです。
経済的援助を受けている学生について考えてみてください。彼らは「服部剛丈」をグーグルで検索し、学び、他の人々やカールトン大学に関連した人たちに、その話を伝えるでしょう


III。アメリカの自由の考え方 
アメリカ人のアイデンティティの基盤
米国憲法は私たちが自由であると宣言する文書です。
“Liberty(またはFreedom)には2つの概念がある”
アイザイア・バーリンは、米国憲法に適用されている哲学を使って次のように説明しました。
消極的自由(Negative liberty):個人の自由
積極的自由(Positive liberty):国民の自由を保証する責任

消極的自由:1-10修正条項
政府がしてはいけないことの例
1.言論の自由を制限する
2.州民兵の銃使用を制限する
3.軍隊を民家に宿営させる
4.不当な捜索と押収を行う

政府が人々を保護することの例
積極的自由:13、14、15修正条項
議会は人々に自由を守らせる力を持たなければならない
13)奴隷にされることからの自由
14)法律の平等保護
15)投票することの自由

エイブラハム・リンカーンは、政府が積極的に奴隷を解放したという点で、憲法における積極的自由の貢献者と言えます。

銃については
連邦政府には銃を所有する自由を制限する力がありません(修正第2条)
政府には、銃による暴力から国民の自由を守る責任があります。しかし、その精神は憲法に制定されていますが明確に記載されていません。


IV 概要

剛丈さんの話は、CSGVのジョシュ・ホロウィッツと私たちが関わるきっかけを作ってくれました。彼は私たちの銃への戦略に関わってくれています。彼は*ERPO(Extreme Risk Protection Orders極度リスク保護命令)を先導し、多くの州で法律を可決しました。
* (家族や法執行機関が、自分自身や他人に危害を加えるリスクが高い個人の銃へのアクセスを一時的に制限すること)

ERPOは「積極的自由」の精神に基づいています。政府の力によって、アメリカの誰もが銃による暴力から解放されることへの行動が出来るようになり、裁判官は社会にとって危険な人物から銃を取り上げることが出来るようになりました。

これは、この国のすべての人に、銃による暴力から私たち全員を解放するための個人的な責任を与えるものです。これは非常に新しく重要な出来事です。自由と責任には結びつきがあります。保守的な共和党員でさえERPOを支持しています。これが進歩です!