日米の銃器情勢

米国の銃器情勢

 大部分の州では、未成年者、前科等の欠格事由がなければけん銃等銃器の所持が認められる。

増加する銃器使用犯罪に対処するため、連
邦レベルにおいて1993年には通称ブレディ法が成立し、これまで州法で

まちまちだった銃器購入時の待機期間が連邦法で5日間とされ、1994年
には包括犯罪防止法が成立して

威力の強い攻撃用銃器の製造、輸入、
所持が禁止される等の措置がとられた。

 同国は建国以来、拳銃等の銃器で身を守る伝統が根づいており、すでに国内に2億丁以上の銃器が出回っている

と言われ、1996年では、銃器
を使用した殺人事件の被害者だけでも10,744人にものぼっている。

(「日
本の銃器情勢 平成10年版」 警察庁生活安全局銃器対策課発行 より抜粋)

 犯罪による死亡者の70%が銃によるものであり、アメリカ国民の約65%が銃規制を求めている(1999年NHK調査)

と言われているのになぜアメリ
カの銃規制は遅々としてすすまないのだろうか。まずは、銃の所持を認める

憲法修正第2条の存在が、上げられる。

「規律ある民兵は自由な国家の安全に必要であるから武器を保持し携帯する国民の権利はこれを犯してはならない。」


A well regulated Militia being necessary to the security of a free state, the right of the people

to keep and bear Arms, shall not be infringed


 ただし、この条文は民兵に関する規定であり、一般国民が銃を持つ権
利には直結していない。

最高裁に持ち込めば現在ではいい勝負になるだ
ろうとは言われているが、判例で見る限り、NRA(全米ライフル協会)

のい
い分は市民権を得ていない。NRAも望まない結果が出るのを恐れて、裁判闘争には持ち込もうとしない。

 第2に大きな原因として上げられるのは、武装市民の権利ををまもり銃メーカーの広報部である全米最大のロビー団体

NRAの存在である。
NRAは1871年に設立され、300万人の会員と年間150億円予算を持つ。

「銃が人を殺すのではない。人が人を殺すのだ。」が、銃を擁護する彼らのキャッチフレーズになっている。

経済力にものを言わせ、選挙では、あらゆ
る中傷で銃規制派の議員候補の落選を画策する。

 このNRAを助勢する法律に隠匿携帯法(米国では基本的に銃は目に見える形でなら所持は許可されている。

しかし、30州では隠し持っても良
い)がある。また1993年成立したブレデイ法は5年間の時限立法だったこと

により、1998年11月、人物チエック後の待機期間が5日から即時入とな
ったのは、残念ながら一部改悪されたといえる。

 だがこのNRAの力をそぐ動きが出てきている。1999年2月11日、各地の銃メーカーと販売会社を訴える裁判で、

企業の過失責任を認める評決が
ニューヨークでくだされた。そのためニューヨークに引き続き、シカゴ、ニューオリンズ

などが訴訟を起こした。1994年にニューヨークで射殺され
た砂田敬君の父向壱さんは原告の一人である。

 クリントン大統領は1998年3月のアーカンソー州、5月のオレゴン州の少年による銃乱射事件後、家庭での銃管理が

不十分で、子供が容易に銃
を持ち出せるような状況にある場合、親を刑事罰にするという法案を提出している。

15州は施行済みで50州に拡大をねらっている。

 カルフォルニアでは1973年に48%だった家庭の銃所有が1998年には32%に下がったという報告がきている。

(1998年10月18日七回忌イベ
ントの中で、リチヤード・ヘイメーカー氏が報告。)

 草の根の銃規制団体の活躍も大きい。1996年度「Yoshi's Gift 賞」授賞団体VAHV(ヴァージニア)は銃は1ケ月1丁に

限定購入する法律(a gun a
month)制定に寄与している。ヴァージニアの場合はプロの売人が合法的に銃を買って、

ニューヨークなど他の州に持ち込む温床となっていたので
法律改正はそれを防止する役割を果たせる。

 1998年の「Yoshi's Gift賞」授賞団体サイレントマーチ委員会は、1994年から2年毎に、その年の銃による犠牲者の数

の靴を議事堂前などに並べ、
銃暴力に抗議するイベント、サイレントマーチを企画して世論を動かす働きをしている。

 またルイジアナシースファイアは、隠匿携帯法に対し制限をつけることで法律を骨抜きにした実績を持っている。


日本の銃規制

 日本の銃規制はとても厳しくその中心となっている法律は銃刀法である。鉄砲には、猟銃(散弾銃またはライフル銃)、

空気銃や産業用銃のよう
に社会的な有用性がある物から、拳銃など(拳銃、小銃、機関銃および砲)のようにその有用性が

基本的にはみとめられないものまで多様であ
り、その規制の軽重、内容に違いがある。

 基本的に、護身のための拳銃や猟銃の所持は許されていない。鉄砲のうち拳銃などは、殺傷のために使われるもの

として所持が一般に
禁止されており違反に対する罰則も他の鉄砲にかかる罰則に比べて特に重くなっている。

(資料1、「日本の銃器情勢」警察庁生活安全局銃器対
策課平成10年版より)

 他方、拳銃などの不法所持者がこれを提出して自首してきた場合は、必ず、その罪を免除または減軽する

「自首減免制度」が採用される。
拳銃の所持が適法に認められるのは、警察官、皇宮護衛官、自衛隊が職務のため

所持する場合と、拳銃射撃競技参加選手が、都道府県公安
委員会の許可を受けて所持する場合など特殊な場合に

限られている。
しかし残念ながら日本には銃を受け入れやすい状況があちこちにある。

1) 暴力団以外の人が、銃所持で摘発されるケースが増えてきている。(平成6年28.9%、平成9年37.9% )


2) 銃を撃ってみたい人が20代で32%もあった。


3) 平成9年高校生が留学先から銃を持ちかえったり、高校生が警官か
ら銃を奪い取ろうとしてナイフで脅す事件が

  あったりして若年層に銃を受け入れる傾向が見受けられる。

  銃は世界を循環しており日本にも年間1,000丁あまりが摘発されており、そのうちの約30%が米国から入ってきている

  状況から、米国の銃の問題は日本の問題でもあるといえる。

  日本の治安の良さを守っていくためには、銃を受け入れない嫌銃意識を一層高め、米国のように銃を護身のために

 持つ発想が生まれないように
覚悟すること、そして日常生活に銃のない日本の暮らしは日本人として世界に誇るべき

 日本の文化であることを内外にアピールすることが必要であ
る。

  「わたしは銃器問題について国内と国際の両面を見てきた結論として、民間サイドの銃器根絶の訴えと、政府当局の

 外国政府に向けた働きかけが
相まった時に初めて一層大きな力になるものと信じています。」

 (現鹿児島
県警本部長、小野次郎氏の、名古屋市における1998年10月18日七回忌イベント時の発言)


日本の銃規制に関しては警察庁
https://www.npa.go.jp/